
ロールケーキは、ロール生地のなかに生クリームなどを巻いた、円柱の形をしていたケーキです。そんな細長い形をしたロールケーキ、世界には、一体どれだけ長いロールケーキが存在したかご存じでしょうか?
ちなみに2011年までギネスブックに記録されていた世界最長のロールケーキは、207.8メートル。それだけでも驚きの長さなのですが、2011年に上海でつくられたロールケーキは、そのギネス記録を大きく塗り替え、なんと「1068m」という奇跡的な長さを記録したというのです。
中国の都市・上海は、中国最大の都市として知られています。1842年の南京条約で開港して以来、めざましい発展を遂げてきたまちで長江の河口付近を中心に、鉄鋼業や、石油化学工業などが主に発達してきました。
上海の中心部は浦東地区といって、巨大なビジネス街が広がっています。エリア内には浦東国際空港もあり、空港と地下鉄二号線龍陽路間(約30km)は、最高時速430kmのリニアモーターカーが結んでいるなど交通網も発達しています。
上海には高層ビルが立ち並び、大都会の風景が広がっています。なかでもアジア最大のテレビ塔である東方明珠塔は地上350mの高さを誇ります。日が暮れると、上海は夜景スポットになります。高層ビルにのぼると黄浦河の向こうに、ライトアップされた外灘地区の洋館ほか光の渦が広がり、見事です。これぞ世界を代表する夜景といった夜景です。
一方、上海には歴史の深さも感じさせる場所も数多くあり、たとえば、16世紀、張南陽によってつくられた庭園、豫園には、得月楼や会景楼など楼閣が配されていて情緒にあふれています。明や清の時代の街並みを再現した上海老街には、重厚な瓦屋根を構えた伝統的な建築物もみられます。
上海のグルメといえば、やはり長江の川の幸を生かした上海料理でしょう。なかでも、「上海蟹」をつかった料理は有名です。「上海蟹」は、中国の河川に生息しているカニで、蒸すなどして調理し、醤油、酢、生姜などつくったタレで食べることが多いです。身が多く香ばしいのが特徴で美味ですよ。蟹の身を卵とからめ、豆腐にかけた蟹粉豆腐などの名物料理があります。上海料理を引き立たせるのは、上海の定番のお酒、紹興酒。紹興酒は、もち米、きび、アワなどをつかった辛めのお酒です。
さて、そんな上海で2011年12月1日、たくさんの人々が集まる5つ星ホテルで、ギネス記録に挑戦したロールケーキづくりがおこなわれました。上海在住の150人の調理師たちが集まって24時間交代でロールケーキ調理。ケーキは生クリームを巻き込んだ形状のロールケーキで、卵900個、小麦粉1トン、砂糖200キロに加えて、 400キロのチョコレートが用いられました。
ロールケーキ完成後はホテルのロビーを横断するように 並べられ、長さを測定。ギネス世界記録の認定員によってケーキの長さは1068メートルに達したことが確認されました。もちろん「世界一長いケーキ」としてギネス認定されました。その長さ、想像するだけでもものすごい長さです
ちなみにこのロールケーキ、ギネス認定を受けたあとは、食べやすい大きさに切り分けられ、ひと切れ20円ほどで 販売されたのだとか。そしてその売り上げは、上海市内の子どもたちの治療費に 充てられたということです。 このロールケーキの世界最長記録、どう考えても、当分抜かれることはなさそうです。
