▲兵庫県三田市にあるパティシエ エス コヤマの行列ができるロールケーキ「小山ロール」(小山ロールケーキ)
六甲山地の北側、兵庫県三田市は、兵庫県南東部に位置する田園都市です。ここ10数年ほどで三田では住宅地が随分増えてきたものの、現在でも市の面積の多くは、のどかな農村や山が占めています。そんな兵庫県三田市の山上に「ゆりのき台」という住宅地が広がっているのですが、その一角に、あるロールケーキを求めて、大行列が毎日できている洋菓子店があります。
そのロールケーキの名は「小山ロール(小山ロールケーキ)」。小山進シェフがオーナーシェフをつとめる洋菓子店「パティシエ・エス・コヤマ」が製造・販売をしています。ロールケーキ「小山ロールケーキ」は、かつてTV東京系列で放送された人気番組「TVチャンピオン」のグランドチャンピオン大会決勝の中で生まれたロールケーキです。
▲小山進シェフがオーナーシェフをつとめる「小山ロールケーキ」を販売する「パティシエ エス コヤマ」
パリで開催された「TVチャンピオン」のグランドチャンピオン大会決勝。勝ち上がったロールケーキ職人たちの多くがテクニックを披露しようと趣向を凝らしたロールケーキをつくるなか、小山シェフは、最高のロールケーキをつくることだけを考え「SIMPLE IS BEST」の結論を導きだします。
そして小山シェフは一本のロールケーキを仕上げました。「TVチャンピオン」のグランドチャンピオンを決定する審査が行われたのですが、審査員100人のうちなんと85人が小山シェフがつくったロールケーキを支持。見事、味覚部門のチャンピオンに輝いたのでした。小山氏はそのとき司会者につくったロールケーキの名を尋ねられ、とっさに「小山ロール」とこたえました。
そのロールケーキ「小山ロール(小山ロールケーキ)」を求めて、連日、兵庫県三田市の店に大行列ができるとは誰が予想したでしょうか。「TVチャンピオン」のグランドチャンピオン大会決勝がテレビで放送され、「小山ロール(小山ロールケーキ)」は、たちまち全国的に有名なロールケーキとなりました。そして、それから年月が経過した現在でも、その人気は衰えることを知らず、今や、「ロールケーキ界の頂点は小山ロールケーキだ」と言っても過言でないほどの人気ロールケーキになりました。
▲「小山ロールケーキ」を製造・販売する「パティシエ エス コヤマ」は緑豊かな三田(兵庫県三田市)にある
ロールケーキ「小山ロールケーキ」は生地がやわらかく崩れやすいなどの理由から通販での購入はできません。三田の「パティシエ・エス・コヤマ」での店頭販売または予約販売のみとなっています。ただ予約販売の場合、予約はできるにしても、2ヶ月近く先まで予約が入っているというケースもあるほど。ですから、関西に住んでいる人間でも、「小山ロールケーキ」はなかなかありつけられない幻のロールケーキなのです。
そんな私も、「小山ロールケーキ」がおいしいとかねてより噂には聞いていたものの、「小山ロールケーキ」にありつけないまま数年が経過していました。そんな入手困難なロールケーキ「小山ロールケーキ」をなんとか食べてみたいと思いました。そこで、兵庫県三田市にある「パティシエ・エス・コヤマ」店舗に訪れ「小山ロールケーキ」の当日発売分を買うことを考えました。ただ、三田の店舗に行っても「小山ロール」の当日販売の本数は限られているので、売り切れてしまえば終了です。また、「小山ロールケーキ」を求めて開店前から行列ができるという話を聞いていたので、果たしてどうなるのか不安になりつつも、兵庫県三田市の「パティシエ・エス・コヤマ」に向けて電車に乗り込みました。
▲小山ロールケーキを求めて。大阪から三田を通り福知山までを結ぶ、JR福知山線の快速列車「丹波路ライナー」
小山ロールケーキを買いに行こうと思い、地図で兵庫県三田市にある「パティシエ・エス・コヤマ」の場所を調べてみると、駅から離れた高台に「パティシエ・エス・コヤマ」はあることがわかりました。大阪からJRを使って三田(兵庫県三田市)の「パティシエ・エス・コヤマ」まで行く場合、JR福知山線のJR広野駅が最寄駅となります。あるいはJR福知山線のJR新三田駅から神姫バスに乗るという手段もあります。JR新三田からバスに乗る場合、「パティシエ・エス・コヤマ」の店のすぐ近くにあるバス停「ゆりのき台郵便局前」まで行くことができるので便利です。当日は、カロリー消費も兼ねて、JR広野駅から歩いてみることにしました。
▲JR広野駅。「小山ロールケーキ」を販売する「パティシエ・エス・コヤマ」まで徒歩約45分
JR広野駅に着いたのは15時頃。三田の「パティシエ・エス・コヤマ」に電話をすると、「小山ロールケーキ」の本数はだいぶ減ってきていて、17時頃には完売してしまうかもしれないという回答が返ってきました。とにかく「小山ロールケーキ」を購入するため、「パティシエ・エス・コヤマ」に向けて先を急がねばなりません。JR福知山線のJR広野駅の改札口を出て新三田方面にしばらく戻っていく形になります。のどかな田んぼが沿道に広がりはじめました。ただ、しばらく歩を進めても、「パティシエ・エス・コヤマ」らしき建物も見えてこないし、それどころか民家もまばらになり山の方向に向かっていました。道を間違えたかと思いつつも、地図を頼りに小高い緑のなかにのびる坂道を上がっていきました。
▲JR広野駅から「パティシエ・エス・コヤマ」へ向かう道すがら。三田の山々や田んぼが広がる
本当にこんなところに、大行列ができるロールケーキ店があるのか?という不安な思いを胸にしまいつつ坂道を登りきると、住宅街「ゆりのき台」が現れました。そして、車道の向かい側に、西洋を感じさせる石造りの外観と店を囲む緑が特徴的な「パティシエ・エス・コヤマ」が立っているのが見えました。店頭には「小山ロール」のディスプレイも立っていました。
▲「パティシエ・エス・コヤマ」の外観。いよいよ「小山ロールケーキ」を購入へ
「パティシエ・エス・コヤマ」の木扉を開けると、店内にはたくさんのお客で賑わっていました。ロールケーキのほか、バームクーヘン、ショートケーキ、焼き菓子なども販売されています。三田の高台に広がる閑静な住宅街で、平日なのにもかかわらず、これだけ「小山ロールケーキ」を買い求めにやってくるお客がたくさんいる光景はあまりに斬新というほかありませんでした。「小山ロールケーキ」の人気はまさに噂どおりでした。
「パティシエ・エス・コヤマ」のショーケースからは次々と商品が売れていきます。ふと時計を見ると、もう17時に差し掛かっていました。JR広野駅から知らないうちに50分近くも歩いていたことになります。ひょっとして「小山ロールケーキ」はもう売り切れてしまったのではないか?一抹の不安が頭をよぎり、店員さんに恐る恐る尋ねてみると「小山ロール1本ですね。まだございますよ。大丈夫ですよ。」と笑顔で答えてくれ、ほっとしました。レジ前の行列を並び「小山ロールケーキ」を無事に1本購入。ロールケーキ一本を買うのにこんなにいろいろ考えドキドキしたのは初めての経験です。それだけに、「小山ロールケーキ」が入った袋を手にしたとき、宝物を掘り出したようなうれしさを感じました。
▲ロールケーキ、ケーキ、バームクーヘンほか洋菓子が並ぶ「パティシエ・エス・コヤマ」のショーケース
「パティシエ・エス・コヤマ」の店内から出て車道に面していないほうにでると、緑豊かなガーデンが広がっていました。群れ植わるハーブの草、咲き乱れる季節の花々・・。色づき始めた木々の隙間にはカブトムシや小人の銅製モニュメントが立っています。
▲木々や花々の自然の息吹が癒してくれる「パティシエ・エス・コヤマ」のガーデン
まるで童話の世界に紛れ込んだような、楽しい気分にさせてくれる素敵なガーデンです。緑に囲まれた一角には、カラフルな色彩で彩られたカフェスペースもあり、せっかくなので、そこで「小山ロールケーキ」をひと切れ賞味してから帰ることにしました。
▲「パティシエ・エス・コヤマ」のガーデンにはカフェスペースもある
洗練されたデザインのパッケージから、ロールケーキ「小山ロールケーキ」を丁寧に取り出します。ふくよかでこんがり茶色をした生地のなかには、純白のクリームと栗が丁寧に巻き込まれています。とてもおいしそうなロールケーキです。
▲「パティシエ・エス・コヤマ」の人気ロールケーキ「小山ロールケーキ」とご対面
「小山ロールケーキ」につかわれている卵(楽天市場)
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「小山ロールケーキ」は卵黄とグラニュー糖、蜂蜜、空気をたくさん含ませた卵白を混合し、時間をかけて泡立て薄力粉を加えてロールケーキの生地をつくるそうです。そのロールケーキ生地をオーブンで30分ほどかけてじっくりと焼き上げ20分ほど寝かすという作業を行うのだとか。
▲「Simple is best」をとことん追求したロールケーキ「小山ロールケーキ」
ロールケーキ「小山ロールケーキ」の生地は、きめ細やかでふわふわとしていました。ふわふわっとしていながらも意外と弾力性もあるカステラ風の生地。口に含むと、繊細でしっとりとした食感もして、ハチミツのやさしい甘味と卵の豊かな風味が口のなかにやさしく広がりました。ふくよかさもあり、どこかなつかしい味わいもするロールケーキ生地だと感じました。
▲「小山ロールケーキ」の生地は繊細。ふわふわでありながらしっとりしているロールケーキ
ロールケーキ「小山ロールケーキ」の生地のなかには、生クリームとカスタードクリームがたっぷり。そして中央部には、栗のコンポートが入っていました。口にロールケーキをほうばったとき、ハッっと驚かされました。こんなにおいしいクリームがあるのか!と。今までに味わったことがない上質の甘さです。次から次へと食べたくなるような、そんな魅力的な味わいのクリーム。生クリームとカスタードクリームの絶妙の出会い。生クリームとカスタードクリームが合わさったとき、新しい心地よいメロディが生まれ、うつくしい旋律を奏ではじめるのです。まさに芸術的です。
▲生クリームとカスタードクリームが芸術的な甘さをつくりだすロールケーキ「小山ロールケーキ」
さらにロールケーキ「小山ロールケーキ」の中央部に入っている栗は、心地よい甘さの余韻を残す役割を果たしながら、ロールケーキ全体の上品な甘さを引き立てていました。
「パティシエ・エス・コヤマ」のロールケーキ「小山ロールケーキ」は評判通り、完成度が高いロールケーキでした。兵庫県三田市までわざわざ買いに行く価値のあるロールケーキだと感じました。
▲「パティシエ・エス・コヤマ」のロールケーキ「小山ロールケーキ」はティータイムにもぴったり
パティシエ エス コヤマ DATA
(住所)兵庫県三田市ゆりのき台5丁目32-1
(営業時間)10:00〜18:00
(アクセス)
・JR新三田駅から神姫バス44系統ゆりのき台郵便局下車すぐ
・神戸電鉄ウッディタウン中央駅から神姫バス44系統ゆりのき台郵便局下車すぐ(または徒歩約20分)
・JR広野駅から徒歩45分
(公式HP)
(駐車場) あり(約30台)
(関連書籍)【送料無料】 丁寧を武器にする なぜ小山ロールは1日1600本売れるのか? / 小山進 【単行本】
(小山ロールケーキの入手方法)
@予約をする場合※確実に欲しいときなど
(予約受付 : 0120−086−489)※予約の上限数に達している場合あり
A予約なしの場合
・当日販売分※本数に上限数あり/ 休みと閉店時間に注意
B百貨店などの催事※不定期
(休み)水曜ほか※HPで要確認
(書籍)丁寧を武器にする なぜ小山ロールは1日1600本売れるのか?
・・小山ロールケーキに関する書籍(楽天ブック)
(宿泊)三田の観光に便利な兵庫県三田市のホテル・旅館一覧(楽天トラベル)
(地図)小山ロールケーキを製造・販売している「パティシエ エス コヤマ」の場所(兵庫県三田市ゆりのき台5丁目32-1)
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ロールケーキは素材や食感のコラボレートで予想もしない美味しさが生まれることも